遡って障害年金請求した場合に「今の等級に不満」があっても、不服申し立てできない?
今日は、やたらと長いタイトルになりました。
遡って障害年金請求した場合に「今の等級に不満」があっても、不服申し立てできない?
分かりにくい話かと思いますが、結構重要な話です。お付き合いいただければ幸いです。
最近変わってきたこと
このところ障害年金の請求をしていて「以前と違ってきたなあ」と感じることがあります。
それは、障害年金を遡って請求したときですね。
例えば、障害厚生年金を遡って請求したとして、
私自身の事前の判断では
「障害認定日は障害等級2級、現時点での障害等級は1級かな」
と思っていたとします。
そして、もし私の個人的な判断が当たっていた場合は、
年金証書が届くと同時に「年金証書の時点では2級だけど、現状では1級だよ」というように、案内がありました。
それがですね・・・最近は、
現時点の障害等級がなかなかわからない!
という事になっております。
そのため、だいぶヤキモキします
現時点(令和元年6月)から振り返りますと、ここ1、2年くらいでしょうか? そのように「待たされる」ようになったのは・・・。理由は分かりませんが・・・。
でも、こちらとしては「そのまま黙って待っている」という訳にはいきません。
なんらかのアクションを起こさなくちゃ、と思います。
なにしろ、こちらの予想通り1級に変更されるかどうかわかりませんので・・・。
そうすると、不服申し立てをしよう! となる訳です。
しかし、そう思った矢先(例えば2カ月後などに)障害等級の変更通知が届いたりしまして、3カ月以内に不服申し立てしなくちゃならないのに、このタイムラグは痛いな、と思う今日この頃であります。
不服申し立てが出来ない
もし、上記の場合で障害等級が変更されなかった場合は、実際に不服申し立てをすることになりますが、ここでまた困った事があります。
これも数年前までは、
普通に遡及請求して⇒現状の障害等級に不満がある⇒不服申し立てOK
だったものが、現在は取り扱いが変更されている!
上記のように「普通に遡及請求」したのでは、不服申し立てが認められなくなったのです。
これは社会保険審査会の裁決により、そのような取り扱いになったようですが、細かい話は割愛いたします。
では、どうすればいいの?
では、遡って障害年金を請求する場合どうしたらいいのか? ですが、
遡って障害年金を請求する際に、同時に「額改定請求」をする
という事になります。
通常の申請用紙の他、「額改定請求書」という用紙を記入し、一緒に提出します。これによって、もし「遡って請求したけど、現状の障害等級に不満がある」場合は、不服申し立てが可能、という取り扱いです。
しかし、年金事務所の窓口でこの「額改定請求書」を提出しようとすると、もしかすると変な顔をされます。
「えっ、なんで?」
と。
それは、このような対応をする方が少ないからだと思いますが・・・。
気をつけなくてはならない点
とはいえ、これも単純な話ではないのです。
「額改定請求書」を提出する場合は、現状の診断書は
通常、申請前3ヶ月以内のもの
でOKですが、
この場合は、申請前1か月以内のもの
を提出しなければならないのです。
診断書の「現症日」から1か月以内に年金の申請をしなければならない。
これは、例えば主治医先生の診断書記入スピードが遅い場合などは、難しい面があります。その点、単純に対応できる問題でもない。診断書を記入いただく前にそのような事情を伝えておく、そんな根回しは必要になります。
今回は、遡及請求時に「額改定請求」も同時に行う、というお話をしました。
最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。 (社会保険労務士 海老澤亮)