知的障害で障害年金の申請をされる方へ その2
今回も前回に引き続き、知的障害での障害年金申請について書いていきます。
診断書を作成頂く際、日常生活の様子について医師に書面でお伝えする。
障害年金の診断書を書いていただく際、医師に日常生活の様子を書面でお伝えしましょう。
知的障害の場合、普段から通院することがない場合も多く、初めて受診した医療機関で診断書を書いてもらう、という事もあり得ます。
とはいえ、お医者さんとしては初めて受診した方の診断書をホイホイ書く訳にはいかない、としてしばらく受診してから診断書を書く、という事もあるでしょう。
(この辺りはお医者さんの考え方にもよります。3カ月~6カ月経過後に診断書を書く、ということも多いと思われます。そのため、ある程度時間に余裕をもって受診することをお勧めします。)
話がちょっとそれましたが、初めて受診した医療機関で診断書を書いてもらうのならなおさら、日常生活の様子を医師にお伝えした方がいい。
このコラムでも何度も書いていますが、「精神の障害用」診断書の裏面、「日常生活能力の程度」欄の各項目(適切な食事、身辺の清潔保持、通院と服薬などの7項目)について、その趣旨に沿った具体的なエピソードを、箇条書きでもいいですから書いてお渡しすることをお勧めします。
(弊事務所ではもうちょっと違った書面を作成していますが、せめて上記のような書類は作成しましょう。)
そうすれば、医師も日常生活が分かりますし、診断書作成の参考になると思います。ただ単に「年金が通るように書いて下さい」とお願いしても、お医者さんも困ると思いますし、このように書面でお伝えすることをお勧めします。
病歴就労状況等申立書は、上記参考資料をもとに作成する。
障害年金の申請で、一般の方に「負担感」があるのが病歴就労状況等申立書です。
「でも、診断書が一番大事だっていうし、診断書さえきちんと書いてあれば問題ないんじゃないの?」
と思われるかもしれません。しかし、そうはいかない。
実際、ご家族が申請されて一度不支給になった方で、弊事務所でお手伝いする際、以前の申請書類を拝見しましたところ、診断書の内容は「1級相当」でしたが不支給になった事がありました。
申立書を簡単に書いてしますと、残念な結果になる事もあるので手を抜かずに作成しましょう。
でも、どうやって作成するか? 分かりません。
といわれるでしょう。
その場合は、診断書作成の際に医師にお渡しした参考資料をもとに作成することをお勧めします。申立書は単に治療歴等を淡々と時系列で書くのではなく、「日常生活がいかに困難か?」といったことを中心に、出生後から現在までを時系列で書いていきます。障害年金は日常生活がうまく送れない方を支援するものですので、繰り返しになりますが、「日常生活で困っていること」を中心に書きましょう。
知的障害について、くどくど書いてきました。より具体的な話はこちらのコラムで「ケーススタディー」として取り上げた記事がありますので、そちらをご覧くださいませ。
お付き合いくださいまして、ありがとうございました。(社会保険労務士 海老澤亮)