障害年金受給のために家族がしてはいけないこと
今回は前回と違い、真面目な話。「障害年金受給のために家族がしてはいけないこと」を考えてみます。
大切なご家族のことを思い、良かれと思ってやっていることが、かえって家族を苦しませることになる。そんなことが起きてはいけません。今回は少し真面目に書きますので、よろしければお付き合いくださいませ。
その1 : 独りで抱え込まない。
もし、あなたがご家族の介護で孤軍奮闘されているのでしたら、特に強く言いたいです。
どうか、どうか、独りで抱え込まないでほしいのです。
もし、周りに頼れる人がいなくて、
「自分がやるしかない!」
「自分がやらずに誰が面倒見てくれるんだ!」
と思われているとしたら、どうか、どうか、もう一度周りを見渡していただきたいのです。
本当にあなたは孤独でしょうか? 独りでご家族の看病をし、自分の人生をご家族に捧げて、それで大切なご家族は喜ぶでしょうか?
そんなことでは共倒れしてしまいます!
あなたが犠牲になっていいはずがない。どうか、ご家族よりもまずは、自分自身を大切にしてください。自分自身が無理すればいい話ではありません。あなたの命は無限ではないですし、大切なご家族はあなたが亡くなった後も生き続けるかもしれない。
自転車操業は苦しい。自分が倒れれば共倒れ。
そんな中絶望しながらも、なんとか生きているんだ。
そう仰るかもしれません。あなたがお優しいからできているんだと思います。あなたがご家族を大事に思い、一生懸命の愛情で支えているから、ご家族も生きているんだと思います。あなたはこれまでに十分頑張っています。ご家族の務めを十分に果たしています。
ですので、どうか、どうか、独りで抱え込まないでください。
経済的な問題。肉体的な問題。物理的な問題。時間的な問題。色々と問題はありますが、相談できる相手はいます。「一人もいない!」という方、私に電話してください。
なんだか、変な話になってしまいましたね・・・。こんな調子で書くつもりじゃなかったんだけど。
繰り返しになりますが、あなたの命は私同様、無限ではありません。ご家族を残して先に逝く可能性があります。ですので、利用できるものは、軽いノリで利用しちゃいましょう!
そして、そうはいいつつも、ご自分の健康状態にも気を配りましょう。自分を粗末にしてはいけない。自分を大事にしましょうね。そうじゃないと、大切なご家族にも優しくできなくなってしまいます。(私なんてその典型かも。)
障害年金の申請なら、年金事務所(近頃は予約制なので、あまり待たなくなりました。)、市区町村の年金課などで無料で相談できます。また、わたしのような社会保険労務士(通称:社労士)も相談にのっています。全く分からないままですと、全然先に進みません。そのため、まずはどこかに相談して、説明を聞いてみましょう。
個人的には年金事務所がお勧めですが、「でも、素人が軽はずみなことを言って取り返しがつかなくなるのでは・・・」とご心配なら、○○○○○○○に相談しましょう。それで、ある程度申請の概要を聞いた方が速いんじゃないでしょうか? (宣伝になるので、名前は消しました。)
その2 : 断捨離で書類を処分する。
さて、近頃は断捨離ブーム? ですが、(うちの家内もやっています。)障害年金の申請では、後になって昔の書類を探し回る事もあります。
ですので、ご家族の、医療機関を受診した時のゴミ(あえてゴミと書いてしまいましたが、書類)は捨てずにとっておきましょう。段ボールに押し込んでおいてもいいので・・・。いくらなんでも家の中がその書類のゴミだらけになる事はないと思いますので・・・。特に障害年金の申請をする可能性があれば、お薬手帳、診察券、領収書など、引っ越しの際も捨てない方がいい。
医療機関でカルテを破棄されてしまい、障害年金が受給できずに困っている方が大勢います。そうならないためにも、お願いします。
その3 : 「年金を受給すると病気がよくならない」と思わない。
これはご家族に限らず、主治医先生にも見られる考え方ですが・・・。
「障害年金を受給したら、自立心がなくなってしまい、病気を治そうという気力がなくなる」
という方がいらっしゃいます。
私も、そんな方は独りもいない! などと言う気はないですが、障害年金を受給することで、ご本人の気持ちに余裕がでることが多いです。
これまでは、ただご家族に迷惑をかけ、経済的な援助を受けるだけ・・・と肩身を狭くされていた方が、障害年金という「自分名義のお金」をもらえることで、気持ちに余裕ができます。家族に頭を下げて、気を遣うだけだった方が、ふとした時に笑ったり・・・。あなたの大事な家族の笑顔、見たくないですか? ともに笑えるようになりたくないですか? 気持ちの面ではメリットは大きいと思います。(ある意味で、経済的なメリットを超えます。)
社会復帰をするのにも、最初から無理にフルタイムで働かなくても大丈夫になります。障害年金がある程度経済面で下支えしてくれるので、短時間勤務から始めてみて、徐々に時間を増やしたりもできますし・・・。段階的に就労することで、定着率も上がります。
ですので、最初から
「障害年金を受給したら、自立心がなくなってしまい、病気を治そうという気力がなくなる」
と思わないでください。
その4 : 先にあきらめない。
もし、ご家族が障害年金を受給したい、と希望を持たれたら、
「でも、申請は大変だっていうよ」
「申請しても通らない人も多いみたいだし」
と、せっかくの希望を摘み取らないでください。
まずは障害年金の制度についてよく調べた上で、本当にダメなのか? 判断しましょう。本人がその気になっているのを、ネガティブに捉えないでほしいのです。
一番身近な方が、実は可能性を奪う事は多い。(自戒も含めてですが・・・。)実際、私自身子供の可能性を奪っているのかもしれません。
まとめ
精神論が多くて、どれだけ役に立ったんでしょうか? 分かりません。でも、気持ちは重要です。特に障害年金の申請は「諦めが早い」人には向かない。粘っこい人に向いている、と思います。
意外と日本人には粘っこい人が多いから、あなたの周りにも頼りになる方はいらっしゃると思います。そんな真面目な話? (本当でしょうか?)でした。
最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。(社会保険労務士 海老澤亮)