障害等級がほぼ決まっている疾患 ~ご自分で年金申請しやすいものは?
こんにちは。
今回は、障害年金基準で障害等級が明記されているもの、について書いてみます。
「ほぼ決まっている」と書きましたが、勿論重症の場合は障害等級がさらに上位の等級になることがあります。(そのため「ほぼ決まっている」と書いております。)
一番メジャーなものは?
申請されている方が多いのは、
・ 人工透析を行っている⇒ 障害等級2級(人工透析には腹膜透析も含みます。)
・ 人工関節を挿入した⇒ 障害等級3級
といったものかと思います。少なくとも弊事務所では多いですね。
その他、人工関節同様、人工物として「ペースメーカー」もありますけど、(他にも人工弁、人工肛門など。)こちらの方がちょっと込み入っております。
「障害認定基準」を見ますと、
・ 重症心不全によりCRT(心臓再同期医療機器)およびCRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器)の場合⇒2級
・ ペースメーカー、ICDを装着したもの⇒3級
というように読めます。初めて年金申請される方にとっては「なんのこっちゃ?」という話ですね。
その他「素人でもわかりやすいもの」は?
その他、障害等級がおおよそ決まっているものとしては、
・ 両眼の視力の和が0.04以下のもの⇒1級
・ 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの⇒2級
・ 両眼の視力の和が0.1以下に減じたもの⇒3級
でも、「減じたもの」とか書かれますと、いったいなんのこっちゃ? と思いますよね。それに「視野障害」も加わりますと、さらに判断が難しくなりますし・・・。(結局、それほど単純ではありません。)
聴力に関しては、
・ 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの⇒1級
・ 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの⇒2級
となっています。しかし、これも最良語音明瞭度というものが関係してきたりします。やっぱり、ちょっと悩ましい部分もありますね・・・。
人工透析、人工関節の場合は自分で申請すべきか?
冒頭に挙げました「人工透析」「人工関節」の場合の障害年金申請ですが、乱暴なことは言えませんけれど、初診日もはっきりしていれば、ご自分で年金申請されてもいいと思います。
ただ、この初診日は特に「人工透析」の申請の場合、ネックになることが他の疾患よりも多い。特に糖尿病から合併症を併発した時ですね。
そこら辺がクリアできれば、ご自分で申請されてもいいと思います。人工関節の場合は、臼蓋形成不全など先天的なものが影響していますと、ちょっと面倒な点もあるかもしれません。でも、そのあたりも心配なければ、書類の作成難易度は下がりますので、時間があって、十分対応できそうならば、私も「うちで是非手続きさせてください!」とはお願いしませんね・・・。(まあ・・・お願いしたこともないですが・・・。)
最後に(セールストーク的なもの、と思ってもOK)
障害年金の申請をご自分で行うのをお勧めしない疾患を書きます。(また言ってら、くらいに考えていただいてもいいですが・・・。)
<自己申請をお勧めしないもの>
・ 難病(化学物質過敏症・慢性疲労症候群・脳脊髄液減少症など)
・ 発達障害
・ 軽度知的障害
・ 高次脳機能障害
個人的な意見ですが・・・。
まず、発達障害、軽度知的障害については、病歴就労状況等申立書でいかに現状をきちんと伝えられるか? が非常に大事だと思います。ただ通り一遍、最低限の書類としての要件を満たしている、というだけでは、お子様の将来にも多少影響が出るかもしれない。この書類は安易に書かずに、念入りに作成していただきたいので、あえて挙げました。
また、高次脳機能障害は診断書が何枚も必要になりますし、手間もかかると思います。それにやはり病歴就労状況等申立書の作成も重要です。発達障害等よりも大変かと思います。
そして最後に難病についてですが、これも私の数少ない経験から言いまして、どこかの社労士と一緒に申請された方が結局はいいと思います。手間とお金(診断書代など)がかかったけど無駄になってしまった・・・ということになりかねませんので・・・。別に私に頼む必要はないですけど・・・。
と、久々に記事を書いてみました。お付き合いくださいまして、ありがとうございました。(社会保険労務士 海老澤亮)